◆第9 元帥について

(2007.10.13作成)


 元帥とは、陸海空軍の最高階級です。元帥と一言で言っても各国によってその使用などが異なるため、おおざっぱにまとめてみました。

●ドイツ
 17世紀末のFeldmarschall に起源をさかのぼることができる。プロイセン陸軍においてはGeneralfeldmarschallと呼称され、現役の軍人が平時ではなく、戦時において戦功のあったものに付与された。
「不滅の階級」と呼ばれたように、生涯現役(つまり予備役編入がない)が約束され、副官・運転手付き自動車などの特典が付与され、元帥杖が与えられた。
 ナチス期から第二次世界大戦終戦までに、陸軍元帥19名、海軍元帥2名、空軍元帥6名が生まれている。

●日本
 陸海軍大将の中で、特に功績を挙げた者に対して、天皇が元帥の称号を与え、元帥府(1898年に創設された天皇の軍事上の最高顧問機関)に列した者である。注意しなければいけないのは、元帥は階級ではなく名誉称号であったことである。例えば、山本五十六氏の場合は、「元帥山本五十六海軍大将」となるので、「山本元帥」とするのは間違い。元帥は生涯現役が約束され、佐官及び尉官の各1名が付けられ、天皇より元帥刀が賜れた。元帥府に列せられた者は陸軍17名、海軍13名で、そのうち8名は皇族であった。

●アメリカ
 アメリカは、南北戦争や第一次世界大戦などの戦時以外では元帥は置いていなかった。その理由としては、階級主義的特権の響きのある「marschal(マーシャル)」が自由主義国的なアメリカにそぐわないとしていたためとも言われる。事実、南北戦争では、合衆国軍元帥 (General of the Army of the United States) 、第一次世界大戦時には合衆国総軍元帥 (General of the Armies of the United States) と、「marschal」を排した名称となっている。
 しかし、第二次世界大戦に参戦すると、軍隊の規模が一気に大きくなり、自然と将官の数が多くなっていった。さらに、大戦末期のヨーロッパ上陸作戦にあたって、共同で参加するイギリス軍の指揮官に元帥がいたため、アメリカ軍でも従来の最高位の大将ではいろいろと不都合になっていた。詳しく説明すると、ヨーロッパ方面連合国軍最高司令官にきまっていたアメリカ軍のドワイト・D・アイゼンハワーは、大将であるが、一方指揮下に入るイギリス軍のバーナード・モントゴメリーが大将から元帥に昇進するにあたって、その問題は一気に噴出したのである。大将の指揮下に元帥がいるのはおかしいということであった。そこで、1944年12月14日、新たに陸軍元帥 (General of the Army) および海軍元帥 (Fleet Admiral) の階級を定める法令が制定され、戦後の1947年に空軍創設によって空軍元帥(General of the Air Force)が制定された。ここで陸軍元帥の名称についての一つの笑い話がある。各国で使用されている元帥の名称に「marschal(マーシャル)」を使わずに「General of the Army」としたことについて、「元帥をマーシャルにすると、最初に元帥になるだろうジョージ・マーシャル陸軍参謀総長が、「マーシャル・マーシャル」になってしまいおかしいから」という。一見するともっともらしい理由ではあるが、信憑性は薄いようである。実際は、19世紀の南北戦争の時の合衆国軍元帥(General of the Army of the United States) の流れから採用されたとの説が有力である。また前述した「marschal(マーシャル)」が自由主義国的なアメリカにそぐわないという説明もなされる。第二次世界大戦時以降では、陸軍元帥5名、海軍元帥4名、空軍元帥1名が昇進していて、オマー・ブラッドリー陸軍大将が1950年9月20日に元帥に昇進後、元帥になった者はいない。

(参考サイト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E5%B8%A5_(%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD)


トップ素朴な疑問集>元帥について