◆第7 各国国歌比較〜戦争賛美の曲?、格好良くない曲?〜
(20060701作成)



君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
いわおとなりて
こけのむすまで

「君が代」:1999年(平成11年)に国旗及び国歌に関する法律で公認される以前の明治時代から国歌として扱われてきた。当初この曲は、イギリス歩兵隊の軍楽長ジョン・ウィリアム・フェントンによって作曲がなされたが、あまりに洋風すぎる曲であったため普及せず、後により日本人の音感に馴染みやすい曲に置き換えようということで、1880(明治13)年に宮内省雅樂課の奥好義のつけた旋律を雅楽奏者の林廣守が曲に起こし、それにドイツ人音楽家フランツ・エッケルトによって西洋風和声がつけられた。

 言わずとしれた日本国歌「君が代」です。素朴な疑問なんですが、よく「戦争賛美の歌」とか言われたり、欧米の国歌に比べて格好良くないとか評判がいまいちなんですが、実際どうなんでしょうか?今回は実際、アメリカ、イギリス、フランス、ポーランドの国歌を例にして比較してみようと思います。
アメリカ国歌「星条旗」(The Star-Spangled Banner)(抜粋)
1番
おお、見ゆるや 夜明けの淡き光を受け
先の夕暮れ 陽が落ちるとき 我らが歓呼しもの
そは太き縞と輝く星なり 危うきいくさのあいだ
塁壁の上に見たり 勇壮にひるがえりし かの旗/
のろしの赤き炎立ち 砲音宙に轟くなか
耐え抜き 旗はなおそこにあり
おお、星散りばめたる旗は 今なおたなびくや
自由なる大地 勇者の故郷に
イギリス国歌「女王(国王)陛下万歳」または「神よ女王(国王)を護り賜え」(God Save the Queen(King))(抜粋)
1番
神よ我らが慈悲深き 女王陛下を守りたまえ
我等が高貴なる女王陛下の永らえんことを
神よ我らが女王陛下を守りたまえ
勝利・幸福そして栄光を捧げよ御代の永らえんことを
神よ我らが女王陛下を守りたまえ
2番
おお主よ、我等が神は立ち上がり
敵を蹴散らし、潰走させ、
姑息な罠をも打ち破りたもうた
我等の望みは汝にあり
神よ我らを守りたまえ
フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」(抜粋)
1番
いざ進め 祖国の子らよ
栄光の日は やって来た
我らに対し 暴君の
血塗られた軍旗は 掲げられた
血塗られた軍旗は 掲げられた
聞こえるか 戦場で
蠢いているのを 獰猛な兵士どもが
奴らはやってくる 汝らの元に
喉を掻ききるため 汝らの女子供の
(コーラス)
武器を取れ 市民らよ
組織せよ 汝らの軍隊を
いざ進もう! いざ進もう!
汚れた血が
ポーランド国歌「ドンブロフスキのマズルカ」(Mazurek Dąbrowskiego)(抜粋)
1番
ポーランドは、まだ滅亡してはいない
我らの命と同じように
いかなる外国の軍勢が強奪しようとも
我らは武力で奪い返す
進め、進め、ドンブロフスキ
イタリアからポーランドへ
我々はあなたに従がう
あなたの下に我ら国民は結集する

 まず、赤字にした部分を見ると、いかに戦争の匂いがするのがわかります。特にフランス国歌は、「暴君の血塗られた軍旗は 掲げられた 血塗られた軍旗は 掲げられた 聞こえるか 戦場で 蠢いているのを 獰猛な兵士どもが 奴らはやってくる 汝らの元に 喉を掻ききるため 汝らの女子供の」とかポーランド国歌の「いかなる外国の軍勢が強奪しようとも我らは武力で奪い返す」と強烈です。また、イギリス国歌は女王(国王)賛美丸出しです。
そもそも、アメリカ国歌は米英戦争の戦場の中で作詞され、フランス国歌はフランス革命時に作られ、ポーランド国歌は数次のポーランド分割による国家喪失後に作られたもので、どうしても戦争とは無関係ではいられず、軍歌→国歌となった場合が多いです。
 それに比べ、日本の君が代は戦争の匂いを感じることはないのです。中には「君が代=天皇」として、戦前の天皇制に代表される軍国主義を賛美する歌と言い張る人もいます。この「君が代」のもとになったのが905年頃成立の『古今和歌集』ですが、この時代の古語において「君」には(1)単純な二人称と(2)君主、王の二つの意味があり、その先か後かについては古くより議論があってどちらとも容易に定めがたい。王朝和歌の世界においても両様が用いられたのです。
 つまり「君」=天皇制=軍国主義と結びつけるのはかなり無理があるかなと思い、現代風に訳すると、「平和な世が長く続きますように」という意味合い程度なのでしょうか。
 だから、別に「君が代」に変なコンプレックスを感じる必要ないのではと個人的に思うのですが、どうでしょうか?

(参考)
アメリカ国歌「星条旗」(The Star-Spangled Banner)(全文)
イギリス国歌「女王(国王)陛下万歳」または「神よ女王(国王)を護り賜え」(God Save the Queen(King))(全文)
フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」(全文)
ポーランド国歌「ドンブロフスキのマズルカ」(Mazurek Dąbrowskiego)(全文)

(参考サイト)
wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%9B%E3%81%8C%E4%BB%A3

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