◆第1 ヴェルサイユ講和条約によってドイツに課された賠償金の額

 ヴェルサイユ講和条約によって設置された賠償委員会が1921年4月27日、賠償金額1,320億金マルクを決定した。当初は、2,690億金マルクだったそうである。しかし、この金額は天文学的数字(当時のドイツのGNPの20年分に相当したと考えられる)であったことには変わらない。ここでポイントは、1,320億マルクではなく1,320億「金」マルクであったことである。つまり、紙幣ではなく金(ゴールド)で払えというものであった。紙幣であれば、インフレーションの影響を考慮しなければ、紙幣乱発で幾らでも印刷して作ることが出来るが、金(ゴールド)はそうにはいかないのである。
この賠償金の金額が、今どのくらいの金額かを厳密に算定することは不可能であるが、ある方法で算定を試みてみます。その方法とは価値の安定している金を基準にする方法である。

 賠償金決定時の金マルクは、純金0.358423g=1マルクでした。1,320億金マルクを、金の重量にすると473億1183万gになります。現在(2005年)の日本での金相場は、金1gが1,500円を前後していますので、金473億1183万gを購入すると、70兆9677億円となります。ただし、金そのものの価値基準が同じとはいえないので、一つの試算と考えて下さい。

 アメリカは第一次世界大戦の終了とともに連合国への貸付け金の支払い猶予を停止し元利金の支払いを英仏に求めた。英仏は外貨準備が枯渇していたからドイツからの賠償金でそれに充てた。だが実際のところ1920年から1929年まで通算で50億金マルクが支払われただけだった。ドイツも外貨があるわけではないから、アメリカからの新規借り入れでまかなった。最後はドイツのヒトラー政権の下1930年代の支払い停止で幕を閉じ、アメリカの貸し倒れで終了した。第二次世界大戦後、旧西ドイツ政府はヤング案にもとづく賠償のみ支払いを再開し、1987年に終了したといわれる。

(参考)賠償金の変遷
ドーズ案(1924年)(別窓表示)→ヤング案(1929年)(別窓表示)→ローザンヌ条約(1932年)(別窓表示)


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