属州の統治について
(最終更新:1999.9.26)


 属州とは、ローマの海外領土とでもいうべきものであり、本国であるイタリアとは区別された。
 属州を意味する「provincia」という言葉は、本来、「任務の範囲」を意味していた。ところでこの直接支配領域は明確な地理的境界を持つ任務範囲であったため、provinciaという言葉は、地理的な意味を持つこととなり、ついには、本来の政務官の「任務」というよりも地理的領域そのものを意味するようになったのである。

(共和政期 スッラ時代以前)
 無制約の軍指揮権(imperium)を持つ法務官を総督として、それぞれの属州に赴任して統治を行なわせた。

(共和政期 スッラ時代以降)
 属州の統治者を、従来の法務官ではなく、1年の任期を終了した執政官及び法務官(執政官代行、前法務官代行)に改めた。ちなみにこれら代行に与えられたimperiumは、統治する属州内でしか有効ではなく、法的にはローマ市の境界地帯にはいると自動的に権限(imperium)のすべてを失い、私人となったのである。

(共和政期 カエサルの時代)
 カエサルは、属州を経済力及び防衛上の観点から、10から、18に再編成した。属州統治者(総督)は、引き続き執政官代行及び法務官代行が行う。

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(帝政期)
 アウグストゥスは、属州統治管轄権を、元老院と皇帝に分割した(それぞれ、元老院管轄属州、皇帝管轄属州という)。なお、時代がたつにつれ、元老院管轄属州と皇帝管轄属州の区別がなくなっていったようである。

●元老院管轄属州

 執政官経験者や法務官経験者から、元老院が指名して送り込む。一級属州のアフリカとアシアは、毎年執政官級の高齢者二人に対し籤で割り当てられた。任期は1年。
 属州になって久しく、ローマ化が進んだ地方、または軍団の駐屯が必要ない安定した裕福な地方が多かった。

●皇帝管轄属州

 皇帝が指名した総督(legatus)が統治。皇帝属州の法的な統治者たる皇帝に代わって実際に赴任して管理する人の意。政情不安定または敵国に接する地方が多かったため、武官的な仕事が多かった。有給で任期は不定期(大体2〜3年であった)。
 重要性に応じて、一級、二級、三級に別れ、 一級、二級属州は総督が赴任して統治したが、三級属州については、総督は赴任せず、皇帝属吏が、近隣属州総督の命令に服して、統治した。

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