●政務官代行


 政務官代行とは、1年ごとの交代が原則である政務官(1年任期の原則)が、交代時の空白を埋めるため、慣例的に、任期切れの政務官が必要な職務権限(imperium)を保持して現地での任務を遂行したのが始まり。後に、1年以上の軍事作戦の場合、どうしても継続して任務を行わせる必要性が起こってきた。そこで、正規の政務官は任期満了後正式に指揮権限の延長が認められ(サムニウム戦争時が始まりであったらしい)、政務官代行として勤務することとなった。なお、この場合、後任の正規の政務官と同列に置かれたではなく、その下に位置づけられた。さらに、スッラの改革によって、海外領地である属州の総督として赴任するようにもなった。
 政務官代行職は、少なくとも原理的には独立した職ではなく、正規の政務官に就いたものが、その翌年、場合によってはもっと長く、代行として引き続き職務権限(imperium)を行使したのである。政務官代行職の任命権は元老院が有しており、これはすなわち、属州総督の任命権をも有していることを意味している。政務官代行の権限は、法的にはローマ市の境界地帯にはいると自動的に権限(imperium)のすべてを失い、私人となった。

(帝政時代)
 帝政時代となると、執政官代行と法務官代行は、元老院属州総督に就任した。

・執政官代行(proconsul)
 軍事行動が1年以上となる事態が起きた場合、その都度に司令官である執政官を変えていたのでは支障が起きたりするので、必要に応じて、執政官代行を設置することができるようにした。この制度によって、執政官の任期が切れた後でも、横滑りで執政官代行の肩書きで戦闘続行が可能となった。
 また、スッラ時代、執政官任期終了後、引き続き執政官代行の職務を自動的に与えられ、属州の総督として派遣されるようにもなる。

・法務官代行(propraetor)
 スッラ時代、従来の属州統治を法務官から、執政官代行及び法務官代行とすることを決めたため、常設の政務官職となった。法務官任期終了後、引き続き法務官代行の職務を自動的に与えられ、属州の総督として派遣されるようになる。


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