ローマの官職
(帝政期)
(アウグストゥス帝〜ディオクレティアヌス帝以前)


●概要
  約1世紀にわたったローマの内乱を収束したアウグストゥスは、養父カエサルが共和政を無視し独裁を行った結果、共和派によって暗殺されたという教訓をふまえ、建前上は共和政すなわち元老院を尊重したものの、事実上の帝政を開始した。
 アウグストゥスは、共和政尊重の建前から、従来の政務官職はそのまま存続させたが、共和政期の制度では広大化したローマを統治することが不可能であると判断し、各種の行政官職を創設し、元老院階級及び騎士階級の人々を担当させた。

(参考)政務官職と行政官職の違い  
政務官 行政官
任期 1年 不定期
資格階級 元老院階級 元老院階級及び騎士階級
俸給の有無 無給 有給


帝政初期の召官順序
●元老院階級の召官順序  
定員 就任資格年齢
二十人官          
(viginiviri)
20名 18歳頃(規定なし)
軍隊副官(名誉)          
(tribunus militum laticlavius)
不明 20歳頃(規定なし)
財務官  
(quaestor)
20名 25歳以上
按察官  
(高等 aedilis curulis)  
(平民 aedilis plebis)          
または、護民官  
(tribunus plebis)
2名          
2名          
10名          
 
 
法務官 注1)          
(praetor)
12名 30歳以上
執政官 注1)          
(consul)
2名 平均43歳(規定なし)

注1) 執政官及び法務官就任後、それぞれ執政官級の人(consularis)及び法務官級の人(praetorius)と呼ばれ、以下の行政官職に就く資格を有することとなる。
 
ランク
法務官級(praetorius) 執政官級(consularis)
低      
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
      
      
      
      
      
      
      
       

軍資金庫管理委員     
(praefectus aerarii militaris)
国庫管理委員     
(praefectus aerarii)
幕僚     
(comes,またはamici)
軍団長
(legatus legionis)
二級皇帝属州知事     
(legatus Caesaris pro praetore)
二級元老院属州総督     
(proconsul)
国道管理委員(curator viarum)
公共建築管理委員(curator operum publicorum)
河水溝管理委員     
(curator alvei Tiberis)
水道管理委員     
(curator aquarum)
都警総督(praefectus urbis)
一級皇帝属州知事     
(legatus Caesaris pro praetore)
一級元老院属州総督     
(proconsul)
 
●騎士階級の召官順序
 
ランク 職名
低     
      
      
       

工兵隊長(praefectus fabrum)
軍団副官(tribunus militum angusticlavius)
都警隊副官(tribunus cohortis urbanae)     
護衛隊副官(tribunus cohortis praetoriae)     
援軍隊長(praefectus cohortisまたはalae)
皇帝属吏(procurator)
艦隊長(praefectus classis)     
消防隊長(praefectus vigilum)
食管長(praefectus annonae)     
エジプト領事(praefectus Aegypti)     
護衛隊長官(praefectus praetorio)


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