あいさつ
(2008.4.1作成)

 第一次世界大戦の末期の1918年、一つの王家が終焉を迎えようとしていました。その名は、ハプスブルク家。中欧の大国であり、中世から20世紀初頭まで、オーストリア大公国、神聖ローマ帝国、スペイン王国、ナポリ王国、トスカーナ大公国、ベーメン(ボヘミア)王国、ハンガリー王国、オーストリア帝国(のちにオーストリア=ハンガリー二重帝国)などの大公・国王・皇帝を代々輩出し、ヨーロッパ随一の名門王家といわれた。

 かつては現在のスイスの一小領主にすぎなかったハプスブルク家は、「戦争は他家に任せておけ。幸いなオーストリアよ、汝は結婚せよ」 の家訓に従い、戦争ではなく政略結婚によって領土を広げていった。しかしこの結果、多種多様な民族を抱えることになり、ナポレオン戦争以後の民族主義の台頭による自治権拡大要求に大きく揺さぶられ、最後には家訓を守らずに第一次世界大戦を引き起こし、空中分解していったのは何とも皮肉な話ではないだろうか。
(文責 館長)

トップ>あいさつ